こどもの本

私がつくった本40
保育社 松井貴彦

(月刊「こどもの本」2012年12月号より)
生きものプロポーズ 摩訶ふしぎ図鑑

『生きものプロポーズ 摩訶ふしぎ図鑑』
北村雄一/絵と文
2011年12月

 これまでに出した本がすべて全国学校図書館協議会の選定図書になっている北村雄一先生による「生きもの摩訶ふしぎ図鑑」シリーズ。

 通常の図鑑のように種類で分けるのではなく、テーマにそって生きものを取り上げていくというところが「こんな見かたで生きものを見たことがなかった」「今まであまり関心のなかった生きものにも興味をもった」と、読者や図書館司書さんからご好評をいただいています。

 そんな北村先生の「深海魚」「極限世界に住む生物」「忍者のような技をもつ生物」に続く新しいテーマが「生きものはどうやってプロポーズするか」です。

 打ち合わせをしているときに、なぜかプロポーズの話になり「人間だったらカッコをつけたり、お金をもっていることをアピールしたりするけど、生きものはどうやってプロポーズするんですかね?」という素朴な疑問を投げかけたのが、この本の企画のきっかけです。

 
「いや~、あんまり人間と違いありませんよ。っていうか、人間のやってることが、ほかの生きものと違いがないというほうが正確かもしれませんね」
「じゃあ、人間みたいに女性に見栄を張ったりしますか?」
「します。かなりします」
「自分はデキル男だぜ!と仕事ぶりをアピールするとか?」
「それ、プロポーズの基本です」
「ボクと結婚したら幸せな毎日が待ってるよ、なんて期待をもたせるとか?」
「生活力のあるオスほどモテますね」
「じゃあ、モテないオスは結婚をあきらめるんですか?」
「いや、あの手この手を使って婚活しますよ。進化というのはプロポーズや恋愛によって起きるというのがダーウィンさんの考えかたなんです」
 

 ダーウィンの進化論のなかの一つに「自然選択説」があります。これは簡単に言えば、生きものは子孫を残しやすい形に進化していくということです。藪の中に住む生きものは足が短くチョコチョコ歩けるほうが便利だからそういう形に進化したのです。

 でもクジャクのオスの尾羽が長く美しいことは、この自然選択説ではうまく説明できません。そこでダーウィンが次に考えたのが「メスにモテるために美しいオスが進化した」という「性選択説」です。

 ……なるほど! それじゃそれをまとめましょうとなり、この『生きものプロポーズ摩訶ふしぎ図鑑』が生まれました。